ThinkPad X1 Carbon 充電不可【マザーボード修理】

今回は、Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen9の修理です。
お客様からは「充電ができず、電源も入らない」とのことでお預かりしました。

充電状況の確認

まずお聞きした内容では、

• Type-Cの充電ケーブルを挿しても無反応
• コネクタをグリグリ動かすと一瞬だけ反応する時がある
• ただし、すぐに充電が切れてしまう

とのことでした。

この時点ではコネクタの接触不良が疑われましたが、実際に分解して詳しく確認していきます。

充電ジャック（コネクタ）の確認

内部確認と診断筐体を開けてType-Cポート周辺をチェックすると、物理的な破損はなし。テスターで確認すると、コネクタ部まで通電もできていました。

そのため原因はさらに先のマザーボード側の充電制御回路にあると判断し、回路を追っていきました。

不良電源チップを特定 、基板修理

調査の結果、マザーボード上の充電IC付近のチップ（Q261・Q263周辺）に不具合を確認。Type-Cコネクタを動かした際に通電が一瞬復活する現象は、ICが不安定な動作をしていたことが原因と考えられます。

同型チップをストックから用意し、ピンセットで慎重に取り外して新品チップに交換。

マザーボード修理完了

交換後は、安定して電流が流れることを確認。そのままバッテリーも充電を開始し、BIOS上でも正常に起動・充電するようになりました。

これで無事に修理完了です。

X1 Carbon USB充電タイプ（typeC)でよくある症状

の機種（X1 Carbonシリーズ）では、Type-C充電回路の不具合が比較的多く、世代が違くても似た症状が散見されます。

今回のように「一瞬通電する」「角度を変えると充電できる」などの場合、コネクタではなく内部のIC不良であることも多いです。

接点洗浄やコネクタ交換だけで改善しないケースでは、マザーボード修理が必要になります。

当店では、高度なBGA・SMDチップの交換修理も承っております。

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