「電源が入らない」「ランプが一切点かない」「画面が真っ暗のまま」——今回お預かりしたのは DELL G15 5511。結果からお伝えすると、マザーボード上の電源回路でチップ部品のクラック(微細な割れ)と劣化が見つかり、該当チップを交換・洗浄することで無事に起動まで回復しました。
同様の症状でお困りの方は、当店のマザーボード修理ページもご参照ください。
ご相談内容と症状
- 機種:DELL G15 5511
- 症状:
- 電源ボタンを押しても無反応(通電しない)
- 充電ランプも点灯せず
- 画面は終始ブラックアウト
外部アダプタやメモリ抜き差しなどの基本点検では変化がなく、マザーボード起因が濃厚と判断しました。
初期診断と切り分け
- 外部要因の除外:ACアダプタの良否確認、バッテリー単体駆動のチェック、CMOS のリセットなどを実施。
- 短絡(ショート)・主要レール確認:DC-IN 付近から各電源回路の立ち上がり可否を確認。待機電源が立たず、上流側の保護・制御回路の異常が疑われました。
- 分解・基板観察:肉眼/拡大鏡で観察すると、電源回路エリアの一部チップにクラック痕、近傍の受動部品にも熱影響由来の変色が見られました。
マザーボード修理
- 不良チップの交換
電源回路上でクラックが確認できたチップ部品を取り外し、同定・選定した上で新品に交換。パッド損傷がないかランドの導通も併せてチェックしました。 - 劣化部品の予防交換
熱変色・値抜け傾向が見られた周辺のチップ抵抗/コンデンサなどを点検し、規格外に近いものはあわせて交換。将来的な再発リスクを抑える目的です。 - 回路洗浄と再はんだ
フラックス残渣・微細な金属粉の除去を行い、該当エリアを再フロー。顕微鏡下で接続状態を確認し、接触不良が残らないよう仕上げています。
マザーボード修理後の確認
- 電源ボタンで即時起動を確認
- 充電ランプの点灯/消灯が正常
- BIOS 画面表示、ストレージ起動、各種温度・ファン動作等、基本機能をチェック
- 再現テスト(通電・スリープ復帰・AC抜き差し)で安定動作を確認
お客様のデータ領域(SSD)は基板修理のみのため初期化せず、そのままお返しできました。
なぜ起きる?よくある原因の例
- 局所的な熱ストレス(長時間の高負荷や吸気・排気の詰まり)
- 物理的な衝撃/たわみ(持ち運び時の圧力、天板での荷重)
- 微小なはんだクラックや湿気・汚れの蓄積による劣化
DELL G15 は高負荷作業に使われやすいため、DELL G15 マザーボード周辺の熱環境が厳しくなりがちです。ファン清掃や吸排気の確保、サーマルグリスの定期メンテナンスは有効です。
同症状でお困りの方へ
- 「電源が一切入らない」「ランプが点かない」といった無反応症状でも、マザーボード修理で復旧できるケースは少なくありません。
- 「水濡れ・落下など心当たりがある」「作業用PCで急ぎ復旧したい」等の状況でも、まずは現状のままご相談ください。分解前の状態が診断の精度を高めます。
※当店のマザーボード修理メニューでは、基板上のチップ交換・回路補修に対応しています。
費用・納期の目安について
機種・回路損傷の範囲・交換点数で変動します。お見積りは診断後にご案内いたします。お急ぎの場合は、受付時にその旨をご相談ください。
まとめ
- DELL G15 5511、通電しない/画面真っ暗の症状
- マザーボード電源回路のチップクラックと周辺劣化を特定
- チップ交換+回路洗浄で起動復旧、データも維持
- ゲーミング系で酷使されやすいDELL G15 マザーボードは、熱対策・定期清掃が再発予防に有効
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