HP Spectre x360(14-ef2010TU)が「電源ボタン反応なし・画面真っ黒・ファン無回転」という状態でお持ち込みいただきました。
外装に落下や水濡れの痕跡は見当たらず、AC接続でも充電ランプは点灯しませんでした。まずは電源アダプターとバッテリーの基本確認を行い、外部要因を除外したうえで、基板側の一次診断へ進みました(詳しくは当店の[マザーボード修理]をご参照ください)。
分解後は、電源入力から一次レール周辺を中心に計測しました。
待機電源の立ち上がりが見られず、電源回路上のICに局所的な発熱を確認しました。テスターで短絡箇所を特定し、該当の電源制御ICを不良部品と判断しました。
そのためリワークにてICを交換しました(BGA/小ピッチ対応)。交換後は待機電源が復帰し、電源ボタンでLEDが点灯、ファンが始動し、画面表示まで正常に進むことを確認しました。続けてBIOS起動、ストレージ認識、バッテリー充放電、スリープ復帰、長時間動作テストも良好でした。
今回のような「電源が入らない・ランプ不点灯・ファン無反応」という症状は、外観からは判断できない基板レベルの故障である場合が多く、IC内部短絡などが原因となることがあります。
原因切り分けと実装技術が必要になりますので、自己分解はおすすめいたしません。
当店では基板単位での診断・部品交換に対応しております(受付の流れは[マザーボード修理]にまとめております)。
Spectreシリーズは携行性に優れた人気モデルですが、電源周りは高密度実装ゆえに発熱や経年劣化の影響を受けやすい傾向があります。
充電時の不安定電源や液体付着後の遅延故障などが誘因となることもあります。
電源無反応や突然落ちるといった前兆がある場合は、症状の進行前に早めの診断をご検討ください
(詳しくは[マザーボード修理]をご覧ください)。
同様の症状でお困りでしたら、型番と症状をお知らせください。宅配修理にも対応しております。まずは簡易お見積もりからご案内いたします。